水まわりの床下を しっかり改修して安心
両親が私を育ててくれた住まいで実際の築年数は不明です。おそらく60年は超えているだろうと。建具職人だった父の作業所は鉄骨造り、ブロック造りの居間をはさんで、木造の母屋。母屋の土間だったところに、お風呂と洗面・トイレを増設してありました。その時代、その時代で改築を重ねており、設備は老朽化。今回水まわりはすべて入れ替えて、私たちが住み継ぐことになったんです。
経緯をお伺いして想定はしていましたが、土間の上を増築した部分は、給排水が当時のままでした。通常は屋外にあるはずの「会所枡」が床下にあり、実際は入り組んでいてとても複雑でした。腐食もかなり進んでいたので、まずは給排水を整理しながら基礎をしっかり改修いたしました。さらに万が一に備えて、点検口を2つ設置しています。
洗濯機を設置する際は、ちゃんと給排水できているかまで確認してくれて。設計士・現場管理者がしっかり付いてくれて、安心でしたよ。
窓の少ない室内を明るく 刷新する提案に驚き
内装にご家族の歴史を感じるお住まいで、お父様がつくられた建具がとてもすてきですね。
ありがとうございます。建具には職人だった父のこだわりがつまっています。両親がとても大切にしていました。
そこは活かしましょう!というお話で盛り上がりましたね。
はい、理解してもらえてうれしかったです。ただ家全体に窓が少なくて暗くて。「室内を明るくしてほしい!」とお願いしたのに、いざキッチン選びになると、ダークブラウンの落ち着いたキッチンがすてきでね。インテリアコーディネイターさんに「これにしたいけど、空間は明るくするにはどうしたらいい?」と聞くと、壁・床・天井をホワイトカラーでの提案があったんです。父の建具がちょうど中間色になり、空間になじむんですよ。すごいわ。キッチンと同色のカウンターと造作棚まで作ってくれて、すごく気に入っています。
ただ明暗をはっきりさせるのではなく、実は天井の面をグレーにすることで、さらに調和できています。
おかげで、納得のいく心地よい住まいになりました。今は父母との想い出とともにゆったり落ち着いて過ごせています。希望を伝えた時に、あたたかく受け入れてくださる姿勢が、なによりうれしかったです。